特集記事としての「複数恋愛」

「複数恋愛」って面白そう!|なんだかんだ言っても、こんなイメージが伴ってこそ、「複数恋愛」がファッショナブルな女性誌の特集記事に取り上げられるのである。

まず、恋愛問題にいつも熱心な『SAY』はこんな見出し―「女にとってのほんとの幸せって?『ひとりの彼にしばられたくない もっといろんな恋をしたい」-私たち16人の恋愛体験学 複数の男性とつき合うためのルールブック」。

七ページにわたる特集で、まずは東京マリッジーセンターによる「現代OLの意識調査」の結果が紹介される。恋人のいる女性の12パーセントが「複数の男性と、現在、肉体関係がある」、74パーセントが「恋人は1人だがその他に複数のボーイフレンドがいる」と答えたとか。

この類のアンケートには、いつも「分母」に対して不信の念を抱かざるをえないのだが、時代的に「アッシー」などを取り揃えておくのが「オシャレ」と思われる傾向があったのかもしれない。

また、「恋人のいる女性」という前提によって、当然ながら「モテ女」が何割かは含まれているわけで、彼女らが複数の男性と付き合うのは、ごく自然なことなのかもしれない。

で、そのようなモテ女たちの体験談が語られるいっぽうで、ひとりの男性とずっと愛し合ってきたことを「私たちの誇り」と言い切る真面目な女性も登場。

しかし、そんな単数(?)恋愛派の中には、彼だけで満足しているわけではないけれど、「いろんな男性と同時につき合うなんて、とても面倒くさくてイヤ」という女性もいる。自分のことを「まめじゃない」と認めているが、恋愛体質とか恋愛性ではない、あるいは本質的に異性への関心が薄い、ということなのだろう。

善い悪いの問題ではなく、一定数の女性は、まあ古来からのしきたりや、それこそ「永久就職」のため、とりあえずは結婚するものの、自分のこととしての恋愛や、(映画スターではなく現実的な)男性への興味を、ほとんど抱かずに暮らしているのではないだろうか。

平日の昼下がりなど、シティーホテルのラウンジに集ってティータイムを楽しんでいる中年女性グループを見ると、私など、そう感じざるをえないのだ。とてもじゃないが、「出会い」を期待するなら、あんなにノン気にケーキなどほおばってはいられまい、と思うような体型とファッションセンスの持ち主がほとんどである。

「オバサンは一日にして成らず」である。相手が単数であれ複数であれ、「恋愛」命の女性であれば、この言葉を肝に銘じているはずなのである。しかるに面倒くさがり屋であれば、刺激などは求めずに、ぬるま湯が大好きなものだ。

ホテルでの甘いひとときは、情事ではなく、ケーキ! ということになるのだろう。実に平和だ。